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97式改LAPDblog

パトレイバー好きなおっさんが、軍事や思った事を徒然書く日記です 旧ブログ(FC2ブログ)から引っ越して来ました

防衛技術シンポジウム2014から見る陸自の問題徒然

今年も市ヶ谷にあるグランドヒル市ヶ谷にて技本による防衛技術シンポジウム2014が11・12日の二日間にわたって開催された。筆者は今年も初日に見学をしたのだが今年の防衛技術シンポジウムの展示内容は例年に比べとても貧相な内容であった。今回は今年の防衛技術シンポジウムを見学して感じた陸自の装備開発・装備運用の疑問点について書こうと思う。

やる気が全く感じられなかった展示内容

筆者は4年前から毎年防衛技術シンポジウムを見学してきたが今年のシンポジウムの展示内容は控えめに言ってもお粗末な展示内容であった。今年は1フロアのみでの開催で、展示ブースの内容は殆どがポスターセッションのみで後は模型や小型の研究品と例年の使い回しの展示が申し訳程度に置かれている程度で『防衛省自衛隊60周年』と謳っている割には見学者に対してやる気のある展示内容では無く、正直技本は開催する気が本当に有るのか?と疑ってしまう様な展示内容であったのが残念であった。

陸自の新たな装備開発の大義名分は海外派遣

さて今年の防衛技術シンポジウムを見学して感じた事は、陸自の装備開発の大義名分が海外派遣に様変わりしていた点であろうか。今迄陸自の装備開発の際に使われる大義名分は、一昔前はゲリ・コマ対策でありそれが最近は離島防衛へと変わってきたのは周知の通りだが今年の技本パンフの陸自装備品開発の説明文を読むと「国際平和協力活動における~」と海外派遣を念頭に置いた物に変わっていた。

これはおそらく離島防衛目的で研究・開発を進めてきたP-1・C-2や機動戦闘車などの装備品開発が一段落し、今までの離島防衛目的では財務省から予算を取る事が難しくなるのを見越して安倍政権による集団的自衛権解釈改憲とも相まって(まずはPKO活動目的とオブラートに包んで)海外派遣向けにと装備品開発の大義名分を変えたといったあたりではないのだろうか。

96式装輪装甲車の後続装輪装甲車の開発

その技本パンフの陸自装備品開発の項目で一番目を引くのが陸自現有の96式装輪装甲車の後続装輪装甲車の「装輪装甲車(改)」であろう。最近の陸自の新規装備導入では当たり前となって来ているが装備品名にあえて〇〇式と採用年を指定しない。これは〇〇式としてしまうとその装備品を改修する際に膨大な手続きが必要になるためにあえて高機動車みたく採用年を指定せず部隊採用という形を採っている。

そして肝心の装輪装甲車(改)のポンチ絵なのだがこれが独・蘭が共同開発したボクサー装輪装甲車の外観にそっくりなのである。ちなみにそのポンチ絵が※コレ

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まあコレはおそらく、装輪装甲車(改)のポンチ絵を載せる際に適当に見栄えのするボクサー装輪装甲車辺りを参考にして描いたのであろうと思うが陸自の本音としてボクサー装輪装甲車の様な装輪装甲車が欲しいという願望がこの様なポンチ絵を産んだと考えるのが妥当であろう。

この装輪装甲車(改)は今年度(平成26年度)から試作が開始され平成28年度から30年度まで技術試験及び実用試験を予定されているが、果たして96式装輪装甲車のにのまえにならないかという不安が残る所である。

政策評価書:http://www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/results/25/pdf/jizen_01_youshi.pdf

運用方法が未だに決まらない中多と後続開発が始まった12SSM

さて最後に陸自に配備が始まっている中MAT・重MAT後続対戦車誘導弾の中距離多目的誘導弾と88式地対艦誘導弾(88SSM)の後続SSMの12式地対艦誘導弾(以下12SSMと呼称)についてブースの陸自解説員から聞いた話について書いていく。

この2つの展示ブースには模型がちょこっと置かれている程度だったが解説役の陸自幹部から以下の大変興味深い話を聞くことが出来たので簡単に記したいと思う。その陸自幹部曰く、「普通科部隊に配備が始まった中距離多目的誘導弾についてまだ明確な運用方法は定まっていない。」「中距離多目的誘導弾は配備が始まったばかりなので部隊でも運用に試行錯誤している状況。」そして一番驚いた話が「既に12SSMの後続SSMの開発が始まっている。

私はつねづね陸自の地対艦誘導弾の有用性は殆ど無いと感じているのだが、まだ配備が始まったばかりの12SSMの後続SSMの開発を88SSM時代から明確な運用方針や実効性の有る運用方法が出来ていない中で既に始めているというのは陸自特有の悪癖「一度装備した兵器は無くさない」のまさに典型例ではないのかと、その陸自幹部に疑問をぶつけて(穏やかにね)みたが明確な答えは最後まで得る事は出来なかった。

このブログで何度も書いてきたが、陸自は抜本的な装備開発施策の改善をしなければ今後も装備品開発に於いて大変な悪影響が続くと言ってきたが今回のシンポジウムを見学してみての感想では陸自は何も学んでいないという暗澹たる物であった。

※「装輪装甲車(改)」(防衛省技術研究本部パンフ2014)p.9