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97式改LAPDblog

パトレイバー好きなおっさんが、軍事や思った事を徒然書く日記です 旧ブログ(FC2ブログ)から引っ越して来ました

怪獣映画から見る自衛官像と昨今の自衛官像の違いについて

映画『ガメラ2 レギオン襲来』が劇場公開されてから今年で19年になる。私は公開当時、劇場に10回以上観に行きその後もVHS→DVD→BDとソフトが発売されるたびに買い何十回と観て来た物である。

劇中、自衛隊はオープニング冒頭の真駒内駐屯地からの化防小隊出撃シーンを皮切りに地下鉄南北線大通駅での草体爆破作戦や仙台市民避難作戦、そして終盤の足利に於けるガメラと共闘してのレギオン撃滅作戦と自衛隊は存分に戦い、戦った。

劇中登場する自衛官達も存分に戦った。いや彼らこそ映画の主人公であったと言っても過言ではないであろう。まさに対怪獣戦は自衛隊にとって最高の仮想敵であり怪獣映画は自衛隊にとってその存在意義を雄弁に語るにふさわしい最高の舞台なのである。

さて前置きが長くなってしまったが、これからゴジラガメラ映画に出てくる自衛官達を振り返りながら昨今の自衛隊を舞台にした映画・ドラマに出てくる自衛官像への違和感について書いていこうと思う。

戦う意義が無いと戦えなくなった自衛官

昨今自衛隊を舞台とする映画やドラマが非常に多くなった。筆者の感じる限りでは映画『亡国のイージス』辺りから徐々に増えていった様に感じる。しかし昨今の映画やドラマに登場する自衛官達による中身の無い空理空論や綺麗事を平然と言ってのける姿勢には否定的な見方しか出来ない。

「何のために戦うのか」とか「俺たちは国を守る為に戦う」等々、最近の映画やドラマに出てくる自衛官達は悩み苦悶しながらそれでも戦う戦士なのだそうだがそれまたご苦労な凝ったとしか言いようが無い物である。

特に2年前にTBSにて放送されたドラマ『空飛ぶ広報室』には随分としらけさせられた。あくまで自衛隊自衛官礼賛が前提でドラマの最初に記者役のヒロインから「戦闘機は人殺しの為にあるんでしょ」と言われた空幕広報室の主人公が「これらは国民の生命財産を守る為の物です!」と凄んで言うシーンでは椅子から落ちそうになった。どうやら昨今の映画やドラマに出てくる自衛官達は戦う意義が存在しないと戦えないのだそうだ。

全く悩む事などしない怪獣映画の自衛官

翻って怪獣映画に出てくる自衛官達は悩まないし、ましてや戦う意義云々などと言わない。それは怪獣映画に出てくる自衛官達にとって対怪獣戦とは敵に勝つか負けるかの二者択一であり怪獣を倒す事こそが彼らの使命でありそれが彼らの存在意義だからである。

ここで私の好きな映画『ゴジラVSビオランテ』のワンシーンからとなるが劇中中盤、高嶋政伸扮する黒木特佐がゴジラ若狭湾にある原発への移動ルートの為の上陸地点として名古屋を上げ伊勢湾にてゴジラを迎撃する作戦を実行するが黒木特佐の予想に反してゴジラは大阪湾沖に姿を表す。

大阪湾沖に表れたゴジラに動揺した陸海空幕僚長達はそれぞれの部隊を至急大阪に向かわせようとする中、黒木特佐はそれに反対し体制を立てなおして若狭にてゴジラを迎撃するように統幕議長に進言する。すると上田耕一扮する山本統幕議長が黒木特佐に「では大阪はどうする!」と凄むが黒木特佐はすかさずにこう言う、「私の仕事は敵に勝つか負けるかです!」と。

戦う事こそが仕事である怪獣映画の自衛官

黒木特佐の言うとおりゴジラガメラなどの怪獣映画に出てくる自衛官達にとって敵と戦う事は自分の仕事でありそれ故に誇りを持って戦うのである。先述したが怪獣映画とは自衛隊の本質である敵を殺し倒すというという事を最も雄弁に語ることが出来る舞台であり、対怪獣戦は自衛隊の存在意義を示すことの出来る最大の仮想敵なのである。

この点が昨今の自衛隊を舞台にした映画やドラマに出てくる自衛官達と違うのである。何度も言うが怪獣映画に出てくる自衛官達にとって戦う事は当たり前の事でありまた仕事なのである。それ故に彼らは戦う為の意義について悩む事など無いのである。

そしてまたガメラへ...

最後にまた『ガメラ2 レギオン襲来』からのワンシーンであるが劇中序盤に群体レギオンに襲われたビール工場に札幌市青少年科学館学芸員の穂波と共に現場に訪れた大宮化学学校の渡良瀬二佐らに対して穂波が「どこかで地球の生命体のたかが外れてしまったのかもしれない」と不安視するとそれに対して渡良瀬二佐が力強くこう言う「例えたかが外れて様と腐って様とそれを守るのが我々の仕事です」。

そう彼らにとって戦う事は仕事なのである。それ故に彼らは勇敢であり逞しいのだ。だがそんな彼らの姿を我々はもう二度と見る機会は無いであろう。

*参考資料

・『ガメラ2 レギオン襲来メイキング・オブ・G2』(発行:メディアワークス 発売:主婦の友社 発行年:1996年)

・『ガメラ2 レギオン襲来』公式パンフレット(発行:東宝 発行年:1996年)

・『最新ゴジラ大図鑑 1954~1990 ゴジラ映画史35年史』(発行:バンダイ 発行年:1990年)

**この記事は旧ブログ(FC2ブログ)にて「ゴジラガメラ自衛隊」と言う題にて書いた記事をはてなブログに移行する際に消失してしまった為、今回題名を新たに内容を覚えていた旧ブログの記事をベースに全面的に加筆・修正した物です。