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97式改LAPDblog

パトレイバー好きなおっさんが、軍事や思った事を徒然書く日記です 旧ブログ(FC2ブログ)から引っ越して来ました

日本が創設すべき情報機関の在り方とは

ISIL(イスラム国)による邦人人質二名の殺害事件により日本でも対外情報機関を創設すべきだという声が自民党などから出始めている。

テロ対策で対外情報機関の創設も 「首相直属」で情報収集 (1/3ページ) - 政治・社会 - ZAKZAK

 

この手の事件が起きるとやれ「自衛隊を人質救出に出せるようにしろ」だの果ては憲法改正論をぶち上げたりと威勢のいい事を言う人達が湧くものであるが、今回はその内の一つの日本にも対外情報機関を創設しろという論に対して日本が保有する対外情報機関の在り方について書いていこうと思う。

全く役に立たなかった外務・防衛・警察の情報収集能力

今回のISILによる邦人人質二名が惨殺された件で日本の外交能力と対外情報収集能力の無さが改めて浮き彫りになった。外務省や警察庁そして(おそらく)防衛省はそれぞれヨルダンの日本大使館や現地政府に情報収集の為の人員を派遣したが何の成果も無く人質二名が殺害されるという最悪の事態となってしまった。

 

今回の件で改めて浮き彫りになった問題点は各省庁の情報収集能力の無さ、特に外務省の無能さと安倍首相肝いりの日本版NSCが全く機能していなかった点である。また警察も国際対テロ班をヨルダンに派遣したがこちらも全く情報を得ることが出来なかった。この点から筆者も新たに対外情報機関を創設する事には賛成だがその為には以下に述べる条件が必要と考える。

外務・警察・防衛とは独立した対外情報機関の創設をすべし

まず新たに日本に対外情報機関を創設するにあたって一番重要な事は新対外情報機関は外務・警察・防衛の各省庁隷下の組織では無くどの省庁にも属さない完全に独立した機関であるべきという事である。これは外務・警察・防衛のどれもが対外情報機関を抱えるのは情報収集能力の不安や対外情報機関を傘下に収める事による一省庁の権力の肥大化を阻止するためには必要な事であると確信するからである。

では新対外情報機関はどこが管轄するのかという点であるが、日本版NSCの傘下というのも心許ない。そこで筆者は新たに米国の国土安全保障省の様な省を創設しその傘下に新対外情報機関を設置するというのが妥当であると思う。日本版国土安全保障省の構想としては今まで各省庁にバラバラに配置されていた情報組織や海上保安庁などの実力組織などを一括して統括するのがベターであろう。

日本版国土安全保障省の在り方としてはまず外務・警察両省庁の対外情報収集組織や外事・公安組織を両省庁から切り離して新対外情報機関に移管し、警察は本来の意味で自治体警察とし日本版DHSに全国捜査を手がける国家警察を新たに創設する。また防衛省の対外情報収集部門の情報も日本版DHSに集約し、国交省傘下の海保も日本版DHSに移し新対外情報機関と合わせて国家安全保障の中心となる省とすればいい。

日本版国土安全保障省や新対外情報機関の人員はどうするのかという問題点は既存の組織から移管した人員に新たに人員を増やすがその分、外務・警察・防衛の余剰な人員を削減してその人員を回せば余計な金も余りかからずに済むのではないであろうか。

日本版国土安全保障省の構想図としては以下の様な感じである。

日本版国土安全保障省ー新対外情報機関(各省庁の情報機関を整理・統合)

          ー国家警察(日本版FBI)

          ー海上保安庁・麻薬取締等の実力組織

          ー防衛省の情報機関の情報集約

新対外情報機関の在り方

日本版国土安全保障省については上記の通りだが、では新対外情報機関はどの様に有るべきなのか。上でも述べたが新対外情報機関には外務・警察・防衛各省庁から対外情報収集組織を移管し整理・統合した上であくまで情報収集・分析機関として活動する事が大原則である。日本の対外情報機関はあくまで情報機関であってなにもCIAみたく暗殺やら謀略活動をする必要も無くまた謀略活動は憲法上も許されないと思うからである。日本の対外情報機関は別にCIAの様な諜報機関を真似る必要性は無い。

また新対外情報機関は日本版国土安全保障省の傘下にし、集められた情報は国土安全保障大臣を通じて日本版NSCに伝達するという体制を取る。さらに国土安全保障省・新対外情報機関のトップには外務・警察・防衛各省庁からの天下りではなく新規に情報機関に通じた人物を採用をすべきである。これは天下り人事による各省庁の間接的支配を防止する為である。

そして多分一番揉めるであろう点は組織の呼称では無いだろうか?日本では情報機関という組織に忌避感を抱く人達が多くいるのも事実である。まあ新対外情報機関の呼称は外交保安局(英語名:Diplomatic Security Agency)で略称はDSAとかにして情報機関という呼称を使わなければいいのではないだろうか。

結局は政治家と国民次第

とここまで日本が保有すべき対外情報機関の在り方について述べてきたが最後に一番重要な点がある。それは確固たる外交戦略も軍事戦略も持っていない日本が新たに対外情報機関を創設したとしてうまく機能するのかという点である。いくら優れた対外情報機関を作った所でそれを扱う政治家や時の政権が何の考えもなしにその時の感情で政策を決定してしまう様では逆に日本にとって危険であろう。

今日本に必要なのは今後日本が世界の中でどういった立ち位置の上で振る舞うのかという基本的な外交・軍事戦略を決める事が先では無いだろうか?対外情報機関はその後で創設をすればいい。何の外交・軍事戦略も持たない現状で対外情報機関を創設するというのは非常に危険であると云うことを政治家も国民も忘れてはならない。